最近、がん療養とお金に関して対照的な記事を読みました。
1)朝日アピタル「お金の負担を理由に治療をあきらめ」
私の「実感」は1)私は、がん保険がなかったら
安心して治療をうけられませんでした。
実は、私も、2)の岸氏の「日本の医療制度がしっかりしており医療費への備えは
それほど必要ではない」という意見に全面的に賛成なのです。標準治療で高額療養費
制度を使えば、自分のサイフから出ていくお金は軽自動車1台分ほどでしょうか?
にもかかわらず、2)岸氏の意見に全く共感できないのは、がん治療そのものより
がん治療の周辺(副作用や合併症の治療、そして身体の状態の変化に伴う生活費上昇)で
多大な出費を経験しているからです。
岸氏は、病気の性質にまたは年齢など個人的事情により周辺的費用が不要だったかも
しれません。脱毛も「5分で慣れた。かつらつける必要ない」とおっしゃっていますし・・・
しかし、女性ではそうはいきません。職場でも、学校の参観日でも「そんな頭で来るな」
と周囲から言われる現実があるのです。自治体によるウィッグの助成も増えてきましたが
すべての自治体で実施しているわけではなく、がん種が限られる場合もあります。
また、私の想像では、奥様の苦労に気づいていらっしゃらない可能性があります。
がん種や治療により衣食住すべてにおいて出費が増えます。食事も制限が必要になる
場合があり、治療用具・装具(杖や車椅子)が必要になったり、家の改装が必要になったり
もします。通院のための交通費もタクシーやグリーン車が必要になる場合があります。
贅沢ですか?いいえ、生きるための出費です。簡単には削れません。
・・・という訳で、医療に関する社会保証制度が整った日本でも、がん治療に関連し
かなりの¥を覚悟せねばならず、備えも必要というお話でした。
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